腸内フローラの研究についてまとめました。腸内フローラの研究はどこまで進んでいるのでしょうか?
気になる腸内フローラ研究について、こちらで解説してまいりましょう。
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腸内フローラの研究について
腸内フローラの研究は大きく二つの方向で進んできました。
生態学的研究と腸内フローラの機能の研究です。
腸内フローラの研究は1681年にオランダのレーウェンフックが手製の顕微鏡で糞便中の菌を観察したことから始まりました。
その後1800年代以降、さまざまな研究者により腸内フローラを形成する重要な菌種が発見されているのですが、腸内フローラの系統だった研究はなされていませんでした。
腸内フローラの機能の研究、分かりやすくいうと腸内フローラが生体の生理機能にどのような影響を与えるかについては、1885年に「近代細菌学の開祖」と呼ばれるフランスのパスツールが「腸内フローラ不可欠論」を発表したことに始まりました。
動物は腸内フローラ無しでは生きていくことはできないというものです。
後に無菌動物の作出が試みられ、無菌ラットの繁殖成功により、腸内フローラ不可欠論は否定されていますが無菌動物と通常動物の比較から、腸内フローラが生体の生理作用に大きな影響を及ぼしていることが明らかにされました。
さらに、この時代にビニールアイソレーターが開発され、無菌動物がどこでも用いることができるようになり、腸内フローラの研究、特に腸内フローラの存在が生体生理機能にどのように影響を与えるかが明らかにされてきたのです。
腸内フローラ日本人の研究について
腸内フローラの研究には、日本人の研究者も大きな貢献をしています。
農学博士で微生物学者である、光岡知足東大名誉教授です。
腸内フローラの系統的研究により「腸内細菌学」という新しい学問を世界に先駆けて樹立したパイオニア的研究者です。
善玉菌・悪玉菌という呼称も、光岡知足教授がつけたとされていて、1970年代以降、一貫して、腸内フローラと宿主とのかかわりを提唱し、っ数々の腸内細菌を見つける傍ら、腸内環境のバランスが人の健康・病態を左右するとなどを次々と発見しています。
腸内細菌学という新しい学問も誕生し、ヨーグルトやオリゴ糖などの機能性食品の開発にも役立てられるようになったのです。
また最近では腸内細菌の最先端の研究で世界から注目を集めているのが慶應義塾大学先端生命科学研究所の福田真嗣農学博士です。
福田真嗣農学博士は世界的な学術雑誌「Nature」に数々の論文が掲載されるほどの人物です。
所謂「善玉菌」「悪玉菌」だけでなく腸内細菌全体のバランスやそこでつくられる物質に着目した福田独自の研究は、脱毛や大腸がんの新しい治療法及び新薬開発にもつながるとされ、国内は勿論海外の研究者からも共同研究のオファーが殺到しているそうです。
現在、世界各国で腸内フローラの研究が行われていますが、その中のアメリカ、ワシントン大学のジェフリー・ゴードン博士は、科学雑誌「ネイチャー」の2006年12月21日号において腸内フローラが宿主の肥満に関係していることを発表しています。
腸内フローラの研究とは
いま、最新の遺伝子解析技術によって、腸内細菌がもつ知られざるさまざまなパワーが明らかになってきました。
腸内フローラの腸内細菌と言えば、「善玉菌」「悪玉菌」が有名ですが、腸の中には100兆匹以上、数百種類もの細菌が住んでいて、その細菌の出す物質が、私達の美容や健康に様々な影響を及ぼしていることが分かってきました。
がんや糖尿病などの病気から、肥満やお肌のシワなどの体質まで影響しているのです。
無菌マウスの実験では、無菌状態のマウスに肥満の人と痩せた人の腸内細菌を移植(人間の腸内細菌を持ったマウス)して同じ環境下で育てると、肥満の人の腸内細菌を与えたマウスはどんどん脂肪が増え太ってしまったそうです。
これらの研究により、肥満の人の腸内にはバクテロイデスなどの菌が少ないということが分かりました。
そしてさらには、腸内フローラの影響は脳にまで及び、うつ病とも関係しているのではないかと考えられています。
腸内細菌の全貌を解明すれば、医療に大きな変革をもたらすのではないかという期待が高まっています。
腸内フローラを治療に活かす臨床研究も次々と始まっていますし、欧米では国家的な研究プロジェクトが動き出しています。
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