ミルトン・エリクソンの催眠誘導では、指示的な手法を使わず、決まった定形もなく、間接的な言い回しで普通に会話するようにクライアントをトランス状態に持っていくエリクソンの催眠誘導は、日常のコミュニケーションに於いても役立てることができるでしょう。
ミルトン・エリクソンの催眠誘導の販売者情報
出版社:有限会社 亀田ブックサービス
取締役:乙川 治
住所:〒950-2102 新潟県新潟市西区五十嵐二の町8602-6
電話番号:025-263-5409
ミルトン・エリクソンとは?
ミルトン・エリクソンは、現代催眠の父と言われる心理学博士であり、その魔術的な催眠で20世紀最高の催眠療法士と呼ばれています。
「治療に抵抗するクライアントなどいない柔軟性にかけるセラピストがいるだけだ」という名言は、あまりにも有名ですね。
20世紀初頭、エリクソンが医学を学んだ当時、精神医学や催眠療法について体系的な学習媒体がなかったため、独学で催眠を習得しました。
というのも、エリクソンが学生だった当時、催眠はステージショーを盛り上げる奇術の意味合いが強く、治療に使えるような代物ではありませんでした。
そのようなキワモノを催眠療法として確立できたのは、エリクソン自身が多くの障害を負っていためと言われています。
17歳のときにポリオで全身が麻痺して、目以外が動かせなくなったエリクソンは家族を観察することで、多くの経験を積むことができました。
ハイハイを始めたばかりの妹を観察することで、麻痺した身体の扱い方を学習し、家族同士の何気ない会話の中にも、相手に影響を与える要素があることを発見したのです。
エリクソンのクライアントごとにアプローチを変える独特な催眠技法は、このときの経験があったからだと言われています。
ポリオ以外にも、色覚異常や失音楽症を罹患していたエリクソンは、決して自暴自棄になることなく、逆に自らの障害を観察対象にすることで、クライアントの呼吸や言葉の違いを把握する能力が培われていきました。
その超人的な観察力には、臨機応変に利用できるものはどんなものでも利用する「Utilization」が根本にあります。※ユーティライゼーション(Utilization:利用できる物はなんでも利用する)
この驚異的な観察力を備えた治療は「エリクソンで治せなければどこへいっても無駄」と言われるほどだったと言います。
この20世紀最高の催眠療法家は1980年に亡くなりましたが、NLP(神経言語プログラミング)やコーチングに強く影響を与え、今もなお催眠療法に於いて重要な役割を果たしています。
今回は、催眠療法の天才と言われたエリクソンが贈る「ミルトン・エリクソンの催眠誘導-1964ライブ・デモンストレーション(<DVD+テキスト>)」をご紹介いたします。
amazonでは、マーケットプレイスの扱いとなっていまして
価格は、57,000円と高額となっていますが、エリクソンが世に残した催眠誘導のビデオとしては、最高傑作ですので、催眠を能力開発に取り入れたい方は、ご検討してみてはいかがでしょうか。
現在、販売されていないようです。
こちらは入手可能です。ミルトン・エリクソンの催眠テクニックI: 【言語パターン篇】
ここでは、その内容にも少し触れてまいります。
ミルトン・エリクソンの催眠誘導の特徴とは?
ミルトン・エリクソンの催眠誘導の特徴は、一般に市販されている本でありながら、心理臨床に携わる専門の方を対象としている点です。
このような業界専門図書を一般向けに出版することができたとは、業界の反発はなかったのでしょうか?
おそらくは、この本が難解すぎるので、一般に出版しても催眠の極意が知れ渡ることはないので、問題はないだろうという判断があったのかもしれませんね。
エリクソン催眠の優れているところは、成功確率がわずか3割程度と言われる、権威型催眠に代表される古典催眠と違い、ほぼ10割という驚くべき成功確率を誇っていることです。
その違いは誘導時間にも現れ、古典催眠が30分以上かけるところを、エリクソン催眠では5~10分という短時間で誘導が完了します。
「~していきます」といった命令口調による暗示ではなく「~することもできるでしょう」というクライアントが選択できるように誘導していくため、クライアントの抵抗を最小限に抑えることができるのです。
エリクソンは、ミスター許容的と言われるほど指示的な手法は一切使わず、間接的な言い回しでクライアントに変化を起こすことを得意としていました。
その生命線とも言えるのが、マインドに対する繊細な言葉遣い(言語パターン)と、クライアントに変化をもたせる例え話(メタファー)です。
決まった定形による誘導ではなく、普通の会話のように柔軟にクライアントをトランスに導いていけるので、誘導されていることに気づかれることなくトランス状態に持っていけるのです。
ここまでのレベルに到達すると、もはやセラピーではなく、言葉の芸術ですね。
ミルトン・エリクソンは、セラピストであると同時に、詩人でもあると評判だったそうです。
それに相応しい逸話があります。
エリクソンが行う催眠療法の奇跡的な成果を聴いたセラピストは、目の前でいとも簡単にクライアントの症状が好転していく状況を見て「クライアントの芝居だ、八百長だ」と本気で怒ったと言われています。
また、普段の会話の中で潜在意識に効果的に暗示を埋め込んでいく手法を学んでいくことは、本来の目的である催眠療法だけでなくビジネスに於いても応用していけるため、非常に有効なコミュニケーションツールと言えます。
言葉の魔術師ともなれば、組織運営など多方面で活用することができますので、部下とのコミュニケーションを改善していきたいビジネスリーダーの方にも、是非おすすめいたします。
こちらにトランス状態になることを助けてくれるサブリミナルアルバムがあります。
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ミルトン・エリクソンの催眠誘導のメリットとは?
ミルトン・エリクソンの催眠誘導のメリットは、催眠療法に抜群の効果を発揮することはもちろんですが、コーチングに於いても、とても相性が良いことです。
しかも、エリクソンの催眠誘導のすべてを理解する必要ななく、一部の理解だけでコーチングスキルの向上が期待できます。
なので、クライアントの満足度を高めていきたい方には、是非学ばれることをおすすめします。
そのコーチングで使われる催眠の技法には、エリクソン派アプローチがあります。
古典催眠の「あなたはだんだん眠くなる」といった、断定をする伝統的アプローチに対し「あなたはだんだん眠くなるかもしれませんし、ならないかもしれません」などの許容的な言い回しで、クライアントに行動の選択をゆだねるのです。
多くの方は、断定的に決めつけられることを嫌うため、伝統的アプローチでは反発されて、一部の被暗示性が高いクライアントにしか催眠をかけることができませんが、どのような行動も許容するエリクソン派アプローチでは、すべての方は催眠にかかることを前提にしていますので、万人受けする誘導が特徴と言えます。
コーチングも、行動の自由を許容していますので、エリクソン派アプローチと相性が良いのです。
その最大のメリットは、臨場感の向上と言えるでしょう。
クライアントが自ら話すイメージを臨場感を持って体感してもらうことで、より深く話に集中していけるのです。
また、言葉の魔術で巧みに誘導していくため、クライアントの無意識に働きかけてラポールの形成を容易にし、お互いに安心感と信頼感が生まれるメリットもあります。
ここで注意を要するのが、エリクソン派アプローチが言語を操る能力は勿論、非言語を扱う能力が、重要になってくることです。
非言語には、クライアントに対する観察力、話をするときの絶妙な間、言葉の抑揚など、様々な要素があります。
クライアントの持つ可能性(リソース)や、価値観に着目することも重要です。
ここに着目することで、クライアントの考え方や、見かた(地図)に合わせることができるので、より深い気づきをもたらし、治療者自らの本質につながったり、質の高いパフォーマンスを引き出すことができるのです。
お互いの地図を理解し意識と無意識の交流を始めることが、ラポール形成の出発点です。
ミルトン・エリクソンの催眠誘導を学んでいくことで、卓越したコミュニケーション能力が身についていきますので、催眠療法家の方は勿論、やる気を起こさせるモチベータなど、講演をされる方にもおすすめいたします。
ミルトン・エリクソンの催眠誘導のデメリットとは?
ミルトン・エリクソンの催眠誘導のデメリットは、あまりにも難解すぎて催眠に触れたことのない方には、いきなりこの本を読んでも理解できないことでしょう。
心理臨床の専門家を対象に書かれていますので当然かも知れませんが、初見でこの内容は無理があります。
そこでおすすめは、「ミルトン・エリクソンの催眠療法入門」です。
入門書だけあって比較的理解しやすく読みやすい構成が特徴で、エリクソンの弟子であるビル・オハンロン氏が書かれています。
この本では、人をトランス状態に導いたり、自己催眠に必要な技術や練習方法が紹介されています。
臨床心理士が催眠を学ぶためのワークショップを本にしているので、入門とはいえレベルは高いほうですが、ミルトン・エリクソンの催眠誘導よりは分かりやすいと思います。
権威支配的な伝統的催眠と許容的なエリクソン催眠の違いを始め、トランスの種類や、そもそもなぜトランス状態にする必要があるのかなど、催眠の基本的なことはこの本だけで学べると言っていいほどです。
この入門書だけでも良いのですが「ミルトン・エリクソンの心理療法〈レジリエンス〉を育てる」もおすすめです。
催眠療法で重要な前進、暗示、分割などの6つの原則について、実際の症例に当てはめて説明されていますが、具体的にトランスに導く催眠誘導の方法は書かれていませんので、その点は注意が必要です。
催眠療法で基本的なルールである散在や連結、クライアントの呼吸に合わせて暗示の入れ方の学習や自己暗示をしていくなら、催眠誘導方法が詳しく書かれている催眠療法入門を先に読んだほうが良いでしょう。
1回だけでなく、繰り返し読むごとに理解は深まっていきますので、重読をおすすめします。
自己暗示に於いては、良い言葉の繰り返しや、多くの言葉を散りばめる散在が重要になってきます。
ポジティブな言葉を何度も見て、聴いて、繰り返し潜在意識に刷り込んでいくのです。
また、催眠には信頼関係が不可欠であるのと同じで、自己暗示でも自分の言葉や行動を信じることも重要です。
とはいっても、このような自己暗示を意識して実践していくことは、なかなかに大変です。
そこでおすすめなのが、新次元サブリミナルアファメーション(NSA)です。
このサブリミナルアルバムは、大量の言語情報を送り込む雑踏の中のカクテルパーティー効果や、逆サブリミナルにより、大量のアファメーションを潜在意識に送り込むことができますので、自己暗示をするには最適となります。
催眠療法入門で催眠の基本的なことを理解して、NSAで圧倒的な自信とやる気を身につけたあとであれば、難解なミルトン・エリクソンの催眠誘導も取り組みやすくなり、催眠が楽しくなることでしょう。
ミルトン・エリクソンの催眠誘導の口コミとは?
ミルトン・エリクソンの催眠誘導の口コミは、心理臨床に携わる専門家を対象にしているだけあって理解することが難しいためか、口コミは広大なネット世界とはいえ、極端に少ないようです。
ご紹介できそうな口コミは、見当たらなかったため、私の感想を書かせていただきます。
1960年台のフィルムのためモノクロで見にくいところもありますが、弟子のジェフリー・ゼイク博士が丁寧に解説してくれているので、繰り返し見ることで理解が深まり、本では分からないエリクソン独特の声の調子や特有の間などもわかるので、催眠療法の勉強をしてみたいけど、その前に実際の催眠誘導を見ておきたいという方には参考になると思います。
私は、エリクソン催眠のすべてを理解できた訳ではありませんが、クライアントの無意識へのアプローチで、協力を引き出すスキルは見習いたいと思いました。
注意すべき点は、エリクソン催眠は確かに成功率が、ほぼ10割ですが、中には普通なら絶対に従わないであろう課題行動が、エリクソンから提示されたという記録が残っているということです。
一例を上げると、末期がん患者の痛みを和らげる目的で、付添の娘さんに催眠をかけ、痛みが取れるのか確認のために、スカートをまくり太ももを力を込めて叩いた記録があります。
痛みに苦しむ親に対するメタファーを利用したものだそうですが、このようなカウンセリングができるのは、実績を作り上げてきたエリクソンだから許されることなのでしょう。
また、エリクソンの催眠は体に触れることが多いそうです。
その真似をした若手の催眠療法家が、女性の足に触れたために、痴漢行為で訴えられる一歩手前までいったらしいです。
どうも、エリクソンの奇跡的なエピソードに触れると「エリクソン催眠」にかかってしまい、神のように崇めるために、常識的な判断ができなくなってしまうのでしょうね。
エリクソン催眠は難解で、学び方を間違うととんでもない方向に行くため、冷静に学ぶ必要があります。
まずは、催眠療法入門で基本的知識を習得し「ミルトン・エリクソンの心理療法セミナー」でエリクソンのセミナーを体感してみてください。
この本は、エリクソン自身が行った心理療法セミナーをまとめたもので、エリクソンの生の声が収録されていますので、重読することによりエリクソンのセミナーに実際に出席したような疑似体験ができます。
その後、ミルトン・エリクソンの催眠誘導を視聴することで、エリクソン特有の多元的コミュニケーションを理解し、催眠誘導の流れを掴むことができることと思います。
今回も最後までお読みいただき誠にありがとうございました。